今回はARCH ENEMY(アーチ・エネミー) 「WAR ETERNAL」のレビューを書いてみました。
個人的な感想ですが、参考になれば幸いです。
「WAR ETERNAL」はアリッサがARCH ENEMYに加入して初めてのアルバムです♪
ARCH ENEMYはスウェーデンのメロディックデスメタルバンドで、初代ボーカルのヨハン時代に日本から人気となったバンドです。
2代目ボーカルのアンジェラ・ゴソウが加入してから世界的に人気なバンドになりました。女性がデスメタルのボーカルという見た目と声のギャップが話題を呼びました。
残虐なボーカルとバッキング、弟クリストファー・アモットのテクニカルな速弾き、そして兄マイケル・アモットのこれでもかという泣きのフレーズに魅了されました。
私はスウェーデンにメタルの旅をした事があるのですが、現地で知り合った大学生の女性が「高校生の時にARCH ENEMYが人気でメタラーではないけどアンジェラが好き」と言っていたので、現地での知名度は高いのでしょうか?
・曲レビュー(収録曲順)
WAR ETERNAL
「WAR ETERNAL」はアンジェラが脱退し、アリッサ・ホワイト-グラズが新ボーカルとして加入したアルバムです。
アリッサはThe Agonistというバンドでデスとソプラノヴォイスの両方を使って歌っていましたが、このアルバムではスプラノヴォイスは封印しています。
(ほんの少しだけクリーンボーカルパートがありますが)
新しいボーカルに変わる時はオールドファンからは反感を買うことが多いですが、アリッサに代わっても大満足な出来です!私はアンジェラよりアリッサの歌い方の方が聴きやすくて好きです。
アリッサがARCH ENEMYとして初の日本公演(ラウドパーク2014)も行きましたが、アンジェラ時代の曲も違和感ないパワフルなパフォーマンスでした。
一時期ARCH ENEMYはメロディックさが少なくなる時期もありましたが、このアルバムが全曲メロディックで私好みの音楽です。捨て曲無しです!
ギターの片方は弟のクリストファー・アモットが抜けたのでニック・コードルが弾いています。
各曲レビュー(収録曲順)
Tempore Nihil Sanat (Prelude in F Minor)
このアルバムからオーケストラを多用して、より曲の美しさが増しています。オーケストラパートは確かシンセサイザーで作ったと何かで読んだ気がします(間違っていたらすみません。)クワイヤやストリングスで不穏で怪しげな雰囲気を醸し出しています。
ライブのオープニングSEにもピッタリな期待感を抱かせてくれるシンフォニックなインスト曲です。
NEVER FORGIVE, NEVER FORGET
のっけからアリッサのグロウルとドラムのブラストビートが炸裂します。1曲目から2曲目に変わり一瞬で残虐性のある音楽へと切り替わりました。ソロは疾走感のあるARCH ENEMYらしいメロディックな仕上がりです。
WAR ETERNAL
バッキングのギターの刻みが気持ち良い!首を縦に振りたくなります。サビのメロディーがキャッチーで聴きやすい曲です。アモットがトリルで弾くところはマイケル・シェンカーの「Into the Arena」みたいですね。このアルバムのおすすめ曲です。
ライブで「WAR ETERNAL」を弾くアモット、リードパート時は常にワウ半止めサウンドですね。
As the Pages Burn
デスメタルらしい疾走感のあるバッキングで、サビは少しゆっくりになります。ギターソロが美しい。アリッサのグロウルとギターソロの美しさのギャップにやられます。
特にアウトロのギターソロは泣きのメロディーと速弾きテクニックが上手い具合に合わさっていて流石ARCH ENEMY!
NO MORE REGRETS
ギターのピロピロが疾走感を出しています。常にギターがタッピング(ライトハンド奏法)でピロピロしていますが、ゆっくりな単音部分との抑揚があっていい感じです。
You Will Know My Name
こちらもオフィシャルでMVがUPされています。
ミドルテンポなナンバーです。アリッサになってからのライブでは定番になっていますね。
GRAVEYARD OF DREAMS
泣きメロディーのインスト曲です。過去作品で言う「Snowbound」や「Intermezzo Liberte」のような曲で、クリーントーンのアルペジオをバックにアモットの叙情的なリードギターがのっています。半止めワウの表現力が際立ちます。8曲目の「STOLEN LIFE」に繋がります。
STOLEN LIFE
非常にキャッチーで2分59秒のシンプルな曲です。アルバム内では一番この曲が好きです。(「WAR ENERNAL」と迷います。)
SUN OF A STARVEというマーティ・フリードマンがプロデュースしたバンドでマイケル・アモットが「Rage」という曲を提供しています。その曲の9割使い回しです…聞き比べをお勧めします。
TIME IS BLACK
ストリングス等のいろんな楽器(シンセ?)で静かなイントロで始まり、かなりヘヴィーなギターが加わります。サビはオーケストラがメインです。ピアノやヴァイオリンの美しさとバンドの重々しさがマッチしています。
ON AND ON
サビはARCH ENEMYらしくキャッチーですが、ゴリゴリなデスメタルな部分が多いですが、後半に少しピアノの静かなメロディーも入ります。ギターソロはAlcatrazzの「Jet To Jet」風な部分もあります。
AVALANCHE
イントロのストリングスサウンドが美しい。サビのメロディーも哀愁たっぷり。オーケストラの美しさもありながらバッキングはヘヴィー。ちらっとアリッサのクリーンヴォイスが入ります。ギターソロは疾走感があります。曲の終わり方もオーケストラが中心です。
Down to Nothing
この曲のアリッサのグロウルが一番ブルータルでしょうか?
ギターもかなり攻撃的です。
Not Long for This World
アルバム最後の曲はインストゥルメンタルです。スローで少しダークな曲です。最後のピアノの音色も寂しい感じを与えます。
※BREAKING THE LAW
ボーナストラックなのでCDによっては収録されていません。
ジューダス・プリーストの名曲カバーです。
おそらく2音下げで超ヘヴィーです。パトカーのサイレン音も再現されています。
開放弦を使ってのリフがカッコいい。
まとめ
「WAR ETERNAL」 はオーケストレーションが使われていて、今まで以上に音が分厚くなっています。
アモットの鳴きのギター・メロディも炸裂しています。
バンドのボーカルチェンジは毎回不安になりますが、 今までのARCH ENEMYが好きな方もこの内容には満足ではないでしょうか?
非常にメロディックなので、デスメタルが苦手な方でも入門編にオススメです。
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