今回は HEAVENS GATE(ヘヴンズ・ゲイト)「Hell for Sale!」のCDレビューを書いてみました。
Hell for Sale!
HEAVENS GATEはドイツのパワーメタルバンドです。
パワーメタル界の名プロデューサー、サシャ・ピートが在籍していました。
「Hell for Sale!」は3枚目のアルバムでカイ・ハンセン(ガンマ・レイ)のスタジオで制作されました。
アメリカを意識しているのか全体的にかなりポップな曲が多いです。
初期ハロウィン系のスピードメタルを求めていた方には評判が良くないですが、各曲個性豊かでいい曲が揃っています!
私はHEAVENS GATEのアルバムはこれを最初に聴いたので、かなりいいアルバムじゃん!と思いました。
ボーカルのフリーデルは歴代ラウドネスのボーカルを全員足して割ったような声質です。
各曲紹介(収録曲順)
Under Fire
疾走感あるアップテンポな曲です。初期ハロウィンが好きな方にもオススメできる曲です。
「初期ハロウィン+ライオット」風な曲です。
Hell for Sale!
ミドルテンポでアルバムのタイトルになっている曲です。
ハロウィンで言う「Dr. Stein」のようなユーモラスな曲になっています。
He’s the Man
ミドルテンポですがキャッチーで歌詞が頭に残ります。
歌詞的には軍歌というのでしょうか?
間奏のシンセサイザーも中世ヨーロッパの戦いのような演奏です。
3曲を合わせると物語になっていて、「He’s the Man」は物語の最後の曲になります。
3曲目がこちらの「He’s the Man」です。
Stars ‘n’ Stripes
サシャ・ピートのギターインストです。27秒だけでの曲で、5曲目の「America」に繋がります。
スティーブ・ヴァイが弾きそうなギターフレーズです。
「Stars ‘n’ Stripes」「America」という曲名からもアメリカを意識した感じです。
America
アメリカをめちゃくちゃ意識したかなりポップな曲です。
アメリカのハードロックやLAメタルのような印象を受けます。
ソロ前にもアメリカ国歌のメロディが使われています。
曲はポップですが、歌詞は人種問題等のアメリカの問題についてです。
Atomic
こちらもミドルテンポな曲です。
跳ねるようなギターの弾き方が印象的です。
ユーゴスラビア紛争についての歌で、サビはダークです。
ギターソロの後半は明るくなります。
Rising Sun
めちゃくちゃ爽やかで疾走感ある曲です。そして、ガンマレイのメンバーがゲスト参加しています。
このアルバムで一番好きな曲です。日本のファンへ向けて作ったそうです。
サビはキャッチーでギターソロは4人で弾いています。
No Matter
7曲目とは打って変わってスローテンポです。
悲しげな雰囲気の曲です。
Up An’ Down
この手の曲のジャンルは詳しくないですが、ジャズやブルースのようなギターフレーズです。
このような曲があるのでアルバムが個性豊かに仕上がっています。
Don’t Bring Me Down
アコースティックなバラードです。ドラムもありません。
メタルバンドのバラードは出来がいい曲が多いですね。
一人部屋でしみじみと聴きたい曲です。心が癒されます。
White Evil
10曲目とは一変して激しいディストーションで始まります。
ミドルテンポな曲です。
一時スローで静かになり、ギターソロはダークで激しくなります。
ギタリストのボニーはメタリカが好きで影響を受けたようです。
Always Look on the Bright Side of Life
コメディグループのカバー曲です。ボーナストラック的な立ち位置の曲ですね。
HEAVENS GATEがライブのエンディングBGMにしていた曲になります。
本当にこのアルバムはいろんなジャンルの曲が入っています。
メタルバンドがやるこの手の曲は好きです。
最後に
このアルバムはハロウィン系のスピードメタルから脱却したアルバムです。
ガンマレイのメンバーも参加しているので疾走系の曲もありますが、全体的にはミドルテンポのLAメタル風・ポップな曲が多いです。
ボーカルもどことなくラウドネスっぽいので、ラウドネスのこのアルバムが好きな方でしたら「Hell for Sale!」は気に入るのではないでしょうか?
全体的な雰囲気がラウドネスのこのアルバムみたいな感じです。
各曲の質は高いので、ミドルテンポでポップな曲が多くても構わない方は買って損はありません。
ガンマ・レイファンの方は「Rising Sun」を聴く為だけでも価値はあると思います。
HEAVENS GATEは解散してしまって残念です。もっと HEAVENS GATEの楽曲が聴きたいと思わせてくれるアルバムでした。
コメント